いちょうの郷/2014
松原市にあるサービス付き高齢者向け住宅



















所在地:大阪府松原市 / 構造規模:鉄骨造3階建て / 敷地面積:1482.36m² / 建築面積:735.04m² / 延床面積:1930.95m²
サービス付き高齢者向け住宅48戸、訪問看護センター、ケアプランセンター、ヘルパーステーションの複合施設の計画です。
大阪府松原市の密集した旧い住宅地の中にあり、また複雑な敷地形状です。周辺環境や求められる機能・要望を総合的に判断し鉄骨造の3階建てとしました。
配置計画としてクライアントから求められたのは、計画敷地にあった日本家屋の庭を残し活用する事、そして複雑な形状をした敷地を有効に活用する事です。2つの道路に面しているため、動線としては、メインのアプローチ部分とサービスのアプローチを明確に分けることができました。
平面計画としては、住戸配置の中に中庭のようなスペースをとることで、1階にも充分な採光と通風が確保できる住居を計画できるようにしました。その結果、各階にパブリックスペースを計画することとなり、1階では、既存の庭に面したタタミスペースを持つコミュニティースペースとなり、地域とのつながりを考えました。2階では吹抜けを持つ開放感のある食堂とし、3階ではリハビリもできる多目的なスペースとしました。パブリックスペースとプライベートスペースが分節されながらもゆるやかにつながる平面計画です。
廊下部分には、中庭に面した明るい「余白」のようなスペースがうまれ、EVホールや談話スペースなどとしました。入居者が食堂や個室以外にも各々の居場所を見つけてもらう事を期待しています。
住戸は、基本的には2方向の開口部を確保しています。中庭に面した部分もあり光と風を十分に取込める計画です。内装計画は「住まい」を意識した落ち着いたしつらえをしました。よくあるパステル調の配色をさけ「和」のイメージを持つように計画しました。施設らしくない高齢者の「終のすみか」としての在り方をクライアントとともに考えた結果です。
外観は中庭部分で分節されたボリュームが、街中にあって威圧感を出さないように計画しました。「和」のイメージを出すボーダータイルと落ち着いた色合いで計画しています。建物の周囲には、入居者が散策できるように庭の計画をしました。四季を感じる事ができる「住まい」を目指しました。